映像ホール

平成30年度優秀映画鑑賞推進事業 フィルム映画上映会
特集 社会派の名匠 今井 正

懐かしの名画をSKIPシティで楽しむ

近代日本の光と影を、情感ゆたかなリアリズムで描いた今井正監督を特集します。多彩な作品群から、大ヒット作や社会派ドラマなど、4作品を35㎜フィルムで上映します。

☆優秀映画鑑賞推進事業☆
本上映会は、優れた映画鑑賞の機会を提供するため、文化庁と国立映画アーカイブが日本各地の公立文化施設と連携・協力して、所蔵映画フィルムの巡回上映を全国の会場で実施する「平成30年度優秀映画鑑賞推進事業」のプログラムです。

※本上映会にご入場の方は、終日駐車場無料!駐車券を映像ホールまでお持ちください。

■9月23日(日)

『青い山脈』

『青い山脈』9月23日(日)10:00~(9:30開場)

1949年/藤本プロ=東宝/白黒/スタンダード/172分(正篇90分・続篇82分)
※10分間の途中休憩あり
原作:石坂洋次郎/脚色:井手俊郎/脚色・監督:今井正
出演:原節子/池部良/杉葉子/若山セツ子/木暮実千代/伊豆肇/竜崎一郎

戦後間もない時期に、その明朗な雰囲気で大ヒットし、主題歌として歌われた「青い山脈」と「恋のアマリリス」も歌謡史上で記憶されるものである。転校してきた女子学生をこらしめるため、いたずらで出したラブレターが思わぬ事件に発展し、封建的な因習が残る地方の小都市は大騒ぎになる。戦後民主主義の理念であった自由恋愛や、女性の自立・解放といった命題が、明朗で快活なユーモアのうちに描かれている。理想に燃える知的な女教師に原節子が扮し、俗物をきどる青年校医に思わず平手打ちを加える一方、女子生徒の杉葉子は海岸で健康で伸びやかな肢体を見せつつ、屈託なく男子学生に自分の恋愛感情を叫んでみせる。芸者に扮した木暮実千代も負けじとばかり地方ボスに反逆し、まさしく新時代の到来を告げるものであった。この原作は、最新作の『青い山脈'88』(1988)を含めて5回映画化されている。「キネマ旬報」ベストテン第2位。

『真昼の暗黒』

『真昼の暗黒』9月23日(日)14:00~(13:30開場)

1956年/現代ぷろだくしょん/白黒/スタンダード/124分
原作:正木ひろし/脚本:橋本忍/監督:今井正
出演:草薙幸二郎/松山照夫/矢野宣/左幸子/内藤武敏/山村聰

1951年に山口県で実際に起きた強盗殺人事件「八海(やかい)事件」を題材に、無実の罪を着せられた四人の若者たちの悲劇と、彼等の無実を信じる弁護士の奮闘を描いた社会派ドラマ。本作が封切られた当時は、高等裁判所で有罪を告げられた四人の若者が最高裁へ上告していた時期であったが、今井正は、脚本家の橋本忍と事件に関する綿密な調査を重ねた末に、四人が無罪であるというシナリオで映画化に臨んだ。今井正の回想によると、脚本が完成した段階で、最高裁から映画製作を中止するように圧力がかけられたという。しかし今井は、「万が一、今後四人が有罪になったら監督を辞めよう」という強い信念のもとで、完成にこぎつけた。実際、封切から12年後の1968年に、四人の無罪が正式に確定し、冤罪事件であったことが証明されたのである。1956年の「キネマ旬報」日本映画ベストテン第1位。

■9月24日(月・祝)

『また逢う日まで』

『また逢う日まで』9月24日(月・祝)10:00~(9:30開場)

1950年/東宝/白黒/スタンダード/109分
脚本:水木洋子・八住利雄/監督:今井正
出演:岡田英次/久我美子/滝沢修/河野秋武/風見章子/杉村春子

原作は、ロマン・ロランの小説「ピエールとリュイス」であるが、その映画化を今井正監督に勧めたのは、主役を演じた岡田英次とのことである。脚本を担当したのは、当時注目されていた新進の水木洋子とベテランの八住利雄である。回想とナレーションを巧みに用いつつ、甘口のメロドラマにおちいりやすい題材を慎重に再構成し、ある青春の悲劇として見事に立体化してみせた。少女が描いた青年の肖像画に重なる彼の声。防空壕で偶然出会った青年と少女。そして、今も語り草になっている「ガラス越しの接吻」は、閉塞状況におかれた恋人たちの精神性を象徴するものであり、戦時下に青春を過ごした世代を越えて、今日でも十分納得できるものがあろう。また、演出にあたった今井監督の主人公たちをとらえる静かな視線が、この作品を声高な反戦映画ではなく、内面的な格調の高いものに仕上げている。「キネマ旬報」ベストテン第1位。

『純愛物語』

『純愛物語』9月24日(月・祝)14:00~(13:30開場)

1957年/東映(東京)/カラー/シネマスコープ/130分
脚本:水木洋子/監督:今井正
出演:江原真二郎/中原ひとみ/岡田英次/木村功/東野英治郎/長岡輝子

前作『米』(1957)の好成績を得て、製作会社の東映が再び今井正監督と組んで作り上げた戦後青春映画の代表作。1954年3月に第五福竜丸がビキニ環礁で死の灰を浴び、この頃、日本では改めて原水爆問題がクロース・アップされていた。脚本の水木洋子によれば、この作品は同じ今井監督で「戦争と青春」を描いた『また逢う日まで』(1950)の姉妹篇として「戦後と青春」を描こうとするものであった。焼け跡の中を懸命に生きる不良少年と少女の純愛物語に、原爆後遺症の問題が絡んでくるのも、このような社会的背景を抜きにしては考えられまい。中原ひとみの鼻から、流れ落ちる一筋の血が伝えるものは、たしかに原爆への怒りである。だが、それは今井監督の静かな演出によって、より深々とした印象を与えるものになっている。常に周りの状況に押しつぶされそうになりながら、必死の抵抗を続ける恋人たちの姿は、この監督の作品に一貫する重要なモチーフである。

日時 2018年9月23日(日)、24日(月・祝)10:00~/14:00~
開場時間 開映30分前 ※当日ご来場順でのご入場となります
料金 1作品 500円(前売・当日共通)※子供料金はございません
2回券 800円(前売のみ)※1名様で2作品、または2名様で1作品ご鑑賞いただけます
入場券販売 【前売り】
■SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ4階・県民交流プラザ
チケット取扱い時間:9:30~16:00
(休館日:月曜 ※祝日の場合は翌平日、9/3~9/7)

■彩の国ビジュアルプラザ1階・SKIPマート
チケット取扱い時間:8:00~18:00
電話:048-260-0088

■川口リリアチケットセンター
チケット取扱い時間:10:00~19:00
(年中無休 ※休館日除く)
電話:048-254-9900

【当日券】各回開場時間より、4階・映像ホール受付にて販売。
会場 彩の国ビジュアルプラザ 4階・映像ホール

※満員の場合にはご入場をお断りすることがございます。(定員321名)
※やむを得ぬ事情により、上映素材や時間の変更、上映の中止をする場合がありますので、あらかじめご了ください。
※作品によって、画面・音声が必ずしも良好でない場合がございますので、ご了承ください。

主催:株式会社デジタルSKIPステーション/文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター
後援:埼玉県・川口市
特別協力:木下グループ
協力:株式会社オーエムシー
木下グループ

このイベントに関するお問い合わせ

彩の国ビジュアルプラザ

048-265-2591